おじいちゃん

病室。

なんのために、集まってるのか。

おじいちゃん。

みんな、近くにいるよ。

がんばろうね。

終わりを待つように、

みんな、いるみたいで。

なんか、嫌な感じ。

おじいちゃん。

どんな気持ちかな。

ご飯、食べたくても食べれないね。

返事、したくてもうまく動けないね。

もどかしいよね。

苦しいかな。

ツライかな。

排尿の管もとっちゃったね。

臓器がうまく機能してないんだってね。

生老病死、あるもんね。

生きてたら老いるし、
病気にもなるし、
死んじゃうね。

悲しいかな。

まだやりたいことたくさんある?

私のお母さんたち、おじいちゃんの子供たちは、みんな、元気だよ。

子供たちの子供たち、孫の私たちは、みんな、元気だよ。

私のお姉ちゃんの子供も2人目が産まれたよ。おじいちゃんのひ孫だよ。

安心していいからね。

おじいちゃん。

古いパソコンの前で、
おっきなシワシワの手で、
よぉ、麻雀やるかあ?って
ニコニコしながら言ってくれたよね。

新聞、載ったの。って
嬉しそうに切り抜き見せてくれたね。

おじいちゃんが庭の畑で作った白菜、
いつも美味しかったよ。

おじいちゃん。

私達の悲しむ顔なんて見たくないよね?
だから、私は、私だけは笑ってるよ。

私はもうひとつの
おじいちゃんおばあちゃんより
おじいちゃんの奥さんの
おばあちゃんより
おじいちゃんが1番好きだったよ。

おじいちゃん。

みんなを、こうして会わせてくれたね。

まだ逝くなよ!

って不謹慎みたいで言えない。

自分が逆の立場だったら
なんて声かけてほしいかな。

笑っててほしいな。

よう!って。
後悔ないか?って。

俺らにどんな人生送ってほしい?とか。

また動けるようになったら、
一緒にラーメン食おうな!とか。

希望の言葉で送ってほしいな。

おじいちゃんだってきっと、
おばあちゃんを
泣かせたくないはずだよ。

だから、泣かないよ。

おじいちゃんの前では泣かないよ。

さぁ、そろそろ行かなきゃ。

おじいちゃんはまだ逝くなよ!

頼むよ!